From Cotton to Jeans, part 4

織布




染色工場で巻き取られ「いざ織るぞ」という状態で運ばれたタテ糸が織機にかけられる。これはデニム織布の特徴。以前、一の宮で見たウール生地などはタテ糸を織機にかけるところから織布工場で行っていた。デニム製造はロープ染色という工程を経るので他の生地とは製造工程が違う。タテ糸を織機にセッティングするのも手間がかかり、数百本の糸がもつれ無いよう、何回も櫛ですきながら織り機にかけていく。




ヨコ糸は染色されずに織布工場へ運ばれてくる。これを、織機のシャトルの中に入る軸に巻き直す。タテ糸にせよ、ヨコ糸にせよ、精紡を経て糸に成ってからコーンアップされ、その後何回もそれぞれの工程に適した形にまき直しをされる。現代の革新織機にはこのヨコ糸を入れるシャトルは無く、エアジェットやウォータージェットを使ってコーンに巻き取られた糸がそのまま織機にかけられる。つまり、コーンの状態分(数千メートル)ヨコ糸を交換する必要が無い。シャトル織機はシャトル内の軸に巻き取れる分しか糸が無い。糸が無くなるたびに、何回もシャトルを切り替える。ミミ付の生地を良く見ると等間隔で糸を交換した痕跡を確認出来る。





織機のテンションを確認するKさん。完全別注糸ができるずっと前からWORKERSの使うセルビッジデニム生地を織ってくれた。この日も顔を見るなり「これ以上弱テンションにすると織りキズできるけどどうする!?」と。そこはギリギリのところでお願い。できる限り糸にテンションをかけないことで、糸本来が持つムラと、織ることで起きるムラを残そうとしている。下はシャトルを交換しているところ。ヨコ糸が無くなるたび、一度織機が止まりシャトルが差し替えられる。




耳にはロープ染色した糸を一本入れた青耳。動画で見せられないのが悔しいぐらい、ゆっくりとした速度で織られていく。一口に「セルビッジデニム」と言っても織機の回転数はまちまち。Kさんの織機は回転数をあまり上げない。その分、ムラがある糸を弱テンションでかけるといった気を使う織布にも適しているそう。逆に、極力ムラの少ない糸をテンションを張ってある程度速く織るセルビッジもある。これは人の好み、ニーズによる。私は自然なムラがある糸で、その糸のムラ、さらに織による凹凸感を出した生地が好きなので弱テンションで織ってもらっている。