もったいない or 手間・時間の無駄



本日は、縫製工場3件、加工屋さん1件回って残反を回収しました。(と、小規模メーカーWORKERSは顔を見せるのが一番の品質管理なので)


2反以上残っちゃってるのは、完全に自分の需要予想ミスもしくは、自社で企画してもともと沢山作ってある生地なのですが、それ以外はたいてい、数メートルだけ。

裁断の時に「取りきり」と言って、裁断出来るだけ切ってしまう方法もあるのですが、やっぱり、途中でミスが出た時などに用意する余分の生地(児島では断ち替えって呼んでます)が要るのです。

で、その断ち替えやら、需要予測ミスやらの残りを持って帰ってきました。

メーカーさんも、産地から遠かったり、スペースに余裕が無いとこんな事も出来ないのですが、産地に近い&今のところ倉庫に余裕があるので弊社は回収です。



自分が服を作り始めたころは、数メートルの生地すら手に入れるのは命がけ。単価もメーター単価だったり、数万円かけたってそれがお金にもどる訳でもなく試作ですから。

そのころの感覚があるのでとにかくもったいない。それに、数メートルだって、誰かが綿の種をまいて、つんで、綺麗にして糸にして織って染めてと考えると、それはそれでまたもったいない。

いい加減、こういう生地も使える良い案が無いかなと考えているのですが、妙案はなかなか出ません。



そもそも、経営コンサルタント的見方からすれば、WORKERSは私一人で、私が企画・営業する事で売上が作られてるわけです。ならば、生産にまつわる部分は出来る限り外注するなり、多少のロスは目をつぶるなりして、企画・営業に注力したほうが「経営」的には正しいのだと思います。

「経営」的に正しくっても、何かふに落ちないのでつい回収してしまうのです。

やっぱり、今シーズン使った生地をもう一度見て、残り具合で需要を肌で感じたり、手で触って違う企画に活かしてあげる事を考えるのも企画の一環だと私は思います。


Teds Jacketに使うモールスキン、あれも最初は古着をベースに企画して、自分なりに「OK!」と思うものは出来ましたがまったく売れませんでした。あの生地も別注したので、残るは数十万円分の生地の山。正直、気が滅入ります。ただ、だからこそ「じゃぁ、どうやったらこの生地の良さを生かせる企画に出来るのか」考えるのです。

生地をあの時トライして作ったから、残ったからこそ、Teds Jacketは出来たのです。

そう考えると、時間の無駄と思われるような作業にも意外とアイデアは眠っている・・・と私は思います。

まぁ、重い原反担いで、汚れて、埃で痒く成って。イメージされる「アパレル」とは程遠いですが、私は私なりのやり方でやっていきます。